種類問わず、こころをぎゅっとつかまされるお店に世界で何度か出会った。
イスタンブール、ダッカ、ブエノスアイレス、ルーレオ…
数は多くはないけれど。
そうしてまた出会ってしまったのは、ここグアテマラシティの小さな喫茶店。
入り口から左手にカウンター席、右側に一つテーブル席があって、奥にも小さな部屋がある。
感じたのは本当にとても風通しのよいお店だということ。
座っていると、人の流れが見えてとても心地よい。
朱色の床タイルはところどころかけおちていて、天井も継ぎ接ぎだらけ、イスも小さな穴があいている。それでもテーブルクロスだけはパキッと、とても色鮮やか。
なんだかじわじわと涙が出そうだった。
お店のおばあちゃんがぼんやりしていたり、新聞を読んでいたり、時々話しかけてきてくれたり、それがたまらなく素敵で。
たぶん、きっと、もうグアテマラシティには来ないと思う。
だからこそ、今日、ここにこれてよかったと思った。本当に。
自分の中に記憶として残したいと思う場所があるのは、本当に素敵なことだと思う。
丁寧に写真を撮らせて頂いた。
これでずっと私の記憶の中に残る。